2016年6月5日日曜日

ロジカル・シンキングでは解決できない種類の問題がある

前回、「クリエイティブ・シンキング」の概要について書きました。

⇛ 「これからの学習はより創造的に

「論理的・分析的に物事を考えていくこと」というテーマがこれまでの流れで、そういった人材を育てることが教育の主眼だったのですが、ITの時代を迎えた今、「現実に人類が向き合っていかなければならない問題に対して、どのようなアプローチで解決していくことができるか」という「問題解決能力」が必要とされてきています。

なぜならば、人間がこれまで獲得してきた利便性は、従来の諸問題を解決してきましたが、利便性がある程度克服された現状では新たな問題が浮き彫りになって行くからです。

世の中には「論理的・分析的な思考では解決できない種類の問題」があることもわかってきました。

環境が劇的に変わっている現実に、今までと同じアプローチで対応することはできません。その都度、何が適切かを考え、判断し、行動できる能力は、今後、どの分野においても、必須の能力になってきます。

「クリエイティブ・シンキング」とは、何も、「全員が芸術家になれ!」といっているわけではありません。

そういった状況の変化に対応するだけの柔軟性が「ロジカル・シンキング」をベースにした教育を受けているだけでは対応できなくなってきている、というだけの問題です。

繰り返しますが、今までにも、同様の考えをしていた人は多くいて、今、それに名前が付けられたというだけのことです。

「クリエイティブ・シンキング」の発想のベースにあるのが、「水平思考」です。

次回は、「水平思考でしか解決できない問題」について書いていきたいと思います。

2016年6月4日土曜日

これからの学習はより創造的に

学歴社会だった頃の日本は、知識重視型の「詰め込み教育」を行っていた頃、アメリカは、個性を尊重する教育を実践していました。

それを受けて、日本が1980年代から2010年代初期までに「ゆとり教育」へと長い年月をかけて移行しようとしていた頃、その半ばである2002年頃に、アメリカは、個性を尊重しのばしていく教育の限界を感じ、再び学歴が重要であるとの教育方針を示しました。

日本の教育方針がぐらついている中、アメリカは一貫して、「クリティカル・シンキング(批判的思考)」を初等教育から大学教育まで一貫して取り入れていました。

一般的にアメリカ人は、コミュニケーションや討論、スピーチが上手いと言われるのは、こういった教育方針が浸透し、子供の頃から徹底して「考える力」を養ってきたというのが一因としてあるのではないでしょうか。

そして、現在、日本は、「脱ゆとり」から「アクティブ・ラーニング」へと移行しようとしています。

アクティブ・ラーニングについては以前書いたのでそちらを御覧ください。
⇛ 「アクティブ・ラーニング」について


そして、現在、アメリカの教育は次のステップに進んで行こうとしています。
それが、「クリエイティブ・シンキング」(創造的思考)です。

人がクリエイティブにならなければならない理由


今までも、元々クリエイティブな人はクリエイティブなので、これはさして目新しいことではないのですが、時代の流れとともに、分析な思考力を持っているロジカルな人の需要よりも、創造的な人の需要が高まっていくという時代背景があります。

物事はある程度分析を済ませることができれば、あとは「その要素をどう組み合わせて新しいものを創っていくか」という「組合せ」の問題になってきます。そしてあらゆる組合せは、コンピュータで再現可能なのですが、そこに人の感性やセンスが加わることで、無駄なものを除外して、意味や価値があるものを選ぶことができます。

Googleのプログラマーには、コンピュータでもすべて解ききるのに100年かかる処理を、「どう人の手を加えて時間を短縮できるか」ということを考えている人たちもいます。

それは、既存の方法論や枠組みを認めつつ、それにとらわれない柔軟な発想力を必要とするもので、そのアイデアには計り知れない価値があります。

物の価値が低くなって、アイデアや付加価値が高まっていく時代に必要な人材をどう育てていくかが教育の争点で、そのためには、まず、「考える力」を養っていかなくことが必須の条件となってくるでしょう。

創造的な思考を実践刷るために必要なことは次の2つです。

1.現在ある物事を分析し、その仕組や成り立ちを徹底的に理解すること。
2.物事の「前提」となている枠組みを疑い、壊し、それに新しい価値を創造すること

芸術の分野の歴史では、一度この流れは失敗しています。
再び、こういった流れに向かっているのには、また別の理由があるのですが、それはまた別の機会に書いていこうと思います。

2016年6月3日金曜日

英語力を上げたいなら洋書を読むべき3つの理由

中学生や高校生で、さらなる発展的な英語の学習を行っていきたい場合は、洋書を読むことをお勧めします。

洋書を読む利点は次の3つです。

1.教科書に出てこないカテゴリーの単語やフレーズが普通にでてくる
2.一冊を読みつくすことで、記憶に残りやすい
3.英語独特の言い回しやリズム感が養える

教科書で学んだ内容は、復習をしなければ、通常1周間で約7割、1ヶ月もあれば、約8割くらいは忘れてしまいます。一つのものについての継続性がなければ、脳は、その情報へのアクセスを弱めてしまいます。せっかく学んだことを忘れてしまうというのは、半分は脳のシステム上どうしようもないことですが、努力によって記憶を定着させることができます。

それを可能にするのが、「反復」と「関連付け」です。

忘れすことを防ぐのに必要なことは、定期的な「反復」

人間の脳は、長時間同じものに晒されているからといって、それを完璧に記憶するというものではありません。「記憶を定着させる」というよりは、「記憶を強化する」といった方が適切かもしれません。「人は忘れてしまう」ということを前提として、一定時間あけてから繰り返しインプットすることで、記憶は強化されていき、「短期記憶」がやがては「長期記憶」として定着していきます。

最も効果的な復習のタイミングは、「20分後」「1時間後」「1日後」「1週間後」「1ヶ月後」です。なぜならば、人の記憶は、

20分後には覚えたときの58%しか残らない(42%忘れる)
1時間後には覚えた時の44%しか残らない(56%忘れる)
1日後には26%しか残らない(74%忘れる)
1週間後には23%しか残らない(77%忘れる)
1週間後には21%しか残らない(79%忘れる)

というように変化していきます。

繰り返しますが、これは、自然なことです。

そして、この割合の減少を防ぐためには、「反復」が最も有効な手段となります。

「関連付け」でさらに記憶を強化する

関連付けの学習は、例を挙げるならば、「語呂合わせ」で何かを暗記することと同じです。

全体的に見れば、「そのもの自体 + 語呂」と、記憶する情報量は、それだけを覚えるときよりも増えてしまいます。しかし、増えた情報量に意味付けをする人間のイメージ力はとれも強い力です。それを利用することによって、忘れにくい記憶となり、思い出すきっかけ(刺激)が増えていきます。

100個のリスト項目を覚えるならば、まずは、分類しましょう。似たようなものに同じ色でマークするのもよいですし、単純に項目の頭に番号を降るだけでも記憶のしやすさは変わります。「30番台に◯◯があったなぁー」「そういえば、その下に◯◯もあった」「ここの3つは似たようなものだからセットで覚えよう」などという工夫ができるようになれば、思い出すきっかけはいくらでも作ることができます。

洋書を読む際も同様で、ストーリーやエピソードごとにキーワードとなる英単語や、その場面を表す言葉、登場人物の印象的なセリフなど、物語を通して、意味のある言語を覚えていくことのメリットは、非常に大きいです。

1500語の無機質な単語帳をひたすら繰り返し眺めていても、単語を覚えることはできますが、単語集のデメリットは、「そこに書いてある意味しか覚えられない」ことです。文脈からも把握できないし、単語の持っている語源的な意味も理解することは難しいでしょう。単語集と同じ値段で、より記憶にのこり、学習や理解を深める本を1冊選ぶことのメリットは計り知れないものがあります。1ヶ月、単語集を本棚にしまって、洋書を手にとってみて下さい。学習の質は劇的に変わるでしょう。


2016年6月1日水曜日

「アクティブ・ラーニング」について

近年、「アクティブ・ラーニング」という授業形態が大学や高校の授業に取り入れられてきています。

現在では、約半数以上の学校が、積極的に「アクティブ・ラーニング」形式の授業を実施していて、2020年の教育制度改革に向けて、初等中等教育にも学習指導要領などを通して、実施される見込みです。

今年の新入生には、「アクティブ・ラーニング」についての説明会が学校や教員にもその旨が説明されています。


アクティブ・ラーニングとは


文科省によれば、アクティブ・ラーニングとは、

『課題の発見・解決に向けた主体的・協力的な学び』

と定義されています。

また、「アクティブ・ラーニング」の3つの柱として、

  1. 何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)
  2. 知っていること、できることをどう使うか(思考力・判断力、表現力等)
  3. どのように社会・世界と関わり、よりよい生活を送れるか(学びに向かう力、人間性等)

という項目が、「アクティブ・ラーニング」によって育成される資質・能力となっています。


「アクティブ・ラーニング」で教育は変わるのか


「アクティブ・ラーニング」という形態を授業に導入したとしても、「学び」は変わりません。それは、学習する本人の意志や態度の問題だからです。

今までも優秀な教師は生徒に対して、「物事に興味・関心のない生徒に興味・関心を抱かせる」という動機付けをしてきました。しかしこれは、授業に「アクティブ・ラーニング」を取り入れたからといってどうにかなる問題ではありません。生徒にとっては、他人に薦められた本を読もうとするかしないかの心理状態と同じです。そして、多くの教師は、自らアクティブに学習してきた経験をもっている教師ばかりではないということも、大きな問題です。経験として、生徒にそれを伝えることができないからです。

つまり、「アクティブ・ラーニング」は、教育が学習の話ではなく、実生活レベルでも、物事に興味・関心を抱き、自ら行動力を持って、それと関わり合おうとするかしないか、という問題なのです。経験主義的な指導しかできない教師は時代遅れで、「新たなもの」に対して寛容になる態度は必要不可欠です。

そのような状況において重要なことは、「偏見や先入観を持たないこと」や、「暗黙のうちに前提となっていることを疑う」といったフラットな思考や態度です。

以上のことを踏まえ、物事に対してアクティブになれるように生徒を促すことができる「最高のモチベーター」としての教師がいるかいないかで、結果は大きく異なってきます。